世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


アビーウイスキー カリラ 11年  11年  54.2%

  • 蒸溜所名: カリラ蒸溜所
  • 地域: アイラ
  • ブランド: アビーウイスキー
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:170号

ロブ・アランソンSCORE8.7

香り
アルコールの高さによる穏やかな刺激がある。だが砂糖漬けにしたレモンやライムの皮、メロン、シナモンのスパイスなどの香りも溢れている。甘い生ハムを思わせる肉っぽさもかすかに潜んでいる。
スモーク、甘味、かすかなスパイスが一度に押し寄せる。メロンとシナモンの風味が、アップルウッドでスモークしたチーズの風味とうまく同居している。
フィニッシュ
スモーク香が立ち上がり、ほとんどチェリーのような香りを放ちながらドライな印象を高める。後にはかすかなゴールデンシロップの甘味が残る。
コメント
甘味とスモーク香の見事なバランス。デリケートでありながら、しっかりとしたピート香も両立している。

ベッキー・パスキンSCORE9.1

香り
草や柑橘の香りがあり、甘さとスモーク香も感じさせる。まるで焚き火の煙の匂いが、麦わらを置いた小屋から漂ってくるような印象。そんなスモーク香を嗅ぎながら、粉砂糖をまぶしたレモンボンボンを舐めている。唾液を誘うような香りで、トフィーのようにリッチな感じもある。
極めて香り高く、草のような風味を感じさせる。レモンオイルと甘味。藁をくべた焚き火から漂う灰のようなスモーク香。背後の方にはアルコールのスパイスもあるが、加水すると粉砂糖のような甘味が強調される。
フィニッシュ
レモントフィーと灰のようなスモーク香の余韻。
コメント
フレッシュで鮮やかなフレーバーが、見事なまでに統合されいる。この蒸溜所の個性をベストの状態で表現した素晴らしい一例。

アビーウイスキー カリラ 11年 2008 AWエクスクルーシブ2008  11年  54.2%

  • 蒸溜所名: カリラ蒸溜所
  • 地域: アイラ
  • ブランド: アビーウイスキー
  • 価格帯: £26-70
  • 入手可能場所: 全世界
  • 掲載号:166号

ロブ・アランソンSCORE7.5

香り
最初は穏やかな印象。遠くで燃えるピートのくすぶり。階下で調理中のベーコン。その残った油でソーダブレッドを揚げる匂い。ブラッドオレンジ、ダークチョコレート。
オレンジ味の大麦糖キャンディー、上白糖、イチゴのジャム、砂糖漬けにした柑橘の皮。オープンタイプの暖炉から出る煙。その火が再びくすぶって樹液のような甘味を感じさせる。かすかなバニラの感触もある。
フィニッシュ
ピートのスモーク香が中心にあり、バニラとシナモンの甘味を伴いながら、ゆっくりドライに霧散していく。
コメント
面白い味わいだが、風味が完全には統合されていないようだ。それでもスモーク香の特性は心地良い。

ベッキー・パスキンSCORE7.9

香り
控えめな印象。面白いピートのスモーク香があり、ヒースの匂いもする。後に果樹園のフルーツ風味をもたらしそうな要素もある。
香りで想像したよりも遥かに甘い。最初は、粉砂糖とレモンシャーベット。やがて甘い木のスモークが穏やかな漂ってくる。そのままややクリーミーで奥に引っ込んだ印象が続くものの、フィニッシュで変化が待っている。
フィニッシュ
すべてが奇妙なほどスパイシーでドライな印象に代わる。いつまでも続くスモーク香も伴っている。
コメント
友達同士で飲むのにぴったりのウイスキー。もう少し樽に入れておいたほうが良かったような気もする。